手のしびれについて
手の痺れは安易に「首のせい」にされがちですが、実際にはそうでないものの方が多いのですよ。肩から指先までを支配している腕の神経はほとんど首の骨の両脇から出ています。
簡単に言えばこの出口で腕の神経の根っこの部分が圧迫されているケースが「首のせい」であり、それより先の通り道のどこかで圧迫されているケースが「そうでないもの」ということになります。(しかし現実にはこのふたつが同時に起こる事もありますが)
手の痺れの治療においては頚椎の状態だけでなく、抹消の神経の通り道にも注意を払う必要があります。
首に問題があるケース
「首のせい」で腕や手に痺れを生じる場合は椎間板や頚椎(首の骨)の関節の老化などが原因となります。
首の運動によって(特に後ろへ反らす動き)症状が悪化するという方は首の問題を疑います。手の痺れに先立って肩甲骨の内側の上の辺りに痛みがあったという方は椎間板ヘルニアの可能性があります。(椎間板ヘルニアのページもご覧ください)
熟年期以降の方で両手にしびれがあり、首を後ろに反らすと悪化するという方は脊髄の領域が圧迫されている可能性があります。
首より先に問題があるケース
腕に限らず神経は通り道のどこででも圧迫されれば、しびれや筋力の低下などの原因となります。
圧迫されている神経や場所によって疾患名は変わりますが、基本的に理屈は同じです。
代表的な疾患をふたつ挙げてみましょう。
胸郭出口症候群
首の横から出た後、腕の神経は首の筋肉(斜角筋)の下、鎖骨と第一肋骨の間、胸の筋肉(小胸筋)の下を通って腕や手に向かって伸びていきます。これらの通り道のどこかで神経が圧迫されるケースを胸郭出口症候群といいます。一般的には知名度は低いようですが、カイロプラクティック院では手のしびれの原因としてメジャーな疾患です。
特徴
- 比較的女性に多いです。
- しびれは朝方に生じる傾向がありますが、日中でも腕の位置によって(傘をさす、自転車に乗るなど)生じる事があります。(進行度によります)
- 神経が首の筋肉の下で圧迫されているケースでは首の位置によって症状が悪化することもあります。
- 症状が進むと手の筋力も低下してきます。(箸を落とす、包丁をうまく扱えない等)
原因となる要素
直接的な原因はある構造による神経の圧迫ですが、どこか一箇所にのみ100パーセント原因があることはまれです。多くの場合は複合的な要因が重なっています。
- 固い胸の筋肉
- 下がった肩甲骨
- ストレートネックの斜角筋(首の奥にある筋肉)
- 丸い背中(猫背)はそれだけで腕の神経の通り道を狭くします。
- それだけでは症状を引き起こさないレベルの小さな首の問題によって、神経が抹消での圧迫に弱くなることもあります。
- 頚肋(頚椎に肋骨状のものが付いている先天的問題)
手根管症候群
手根管は手首にあるトンネルのような構造で、手を動かす筋肉の腱や神経が中を通っています。トンネルの手のひら側は屈筋支帯というリストバンドのような帯、手の甲側は手根骨という骨で出来ています。理由が何であれこのトンネルが狭くなって神経を圧迫すれば、手のしびれや筋力低下の原因となります。
特徴
- 女性に多いです。
- しびれるのは基本的に手のひら。
- 親指側の三本の指、あるいは手のひら全体にしびれを感じる事もあります。
- しびれは夜中や朝方に生じる傾向があります。(進行すると日中も)
- 進行すると手の力も弱くなってきます
- 妊婦の方が一時的になることもあります。
- 手根管よりも手前に複合的要因が隠れているケースも少なくありません。(円回内筋など)
原因となる要素
トンネルを狭くする要素の全てが原因となり得ます。
- 手や手首への継続的なストレス
- 屈筋支帯やそれにつながる筋膜の制限
- トンネルを通る腱の腱鞘炎
- トンネルの背面にある骨の位置異常
- 直接的な打撲
治療への道筋は?
- 神経を圧迫している構造から開放しなければなりません。
- 胸郭出口、手根管症候群ともに症状が100%純粋に一箇所の圧迫で起こっているケースはまれです。カイロプラクティックでは頚椎、胸椎、筋バランスも含めて改善を目指します。
- 最も大きな原因となっている場所は優先的に施術の対象となりますが、神経の経路を全てをチェックする必要があります。
- 特に胸郭出口症候群では姿勢が大きく関わっています。不良姿勢の矯正も必要です。
- 手や手首へのストレスが過多になっている方は休息、または活動のセーブも必要です。
手のしびれに頭痛、めまい、あるいは顔や口のしびれなどが伴う場合は脳に問題が生じている可能性もあります。しかるべき施設での検査をお勧めします。
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