前回は可動性が減少した関節について述べましたが、今回は逆のケースを取りあげたいと思います。
逆という事はつまり、関節の動きがありすぎるという状態です。
関節がよく動く、柔らかい、というと良い事のように思うかもしれませんが、実はそうではありません。
関節がよく動くのは基本的には良い事ですが、あまりに動きすぎると「不安定」という事になってしまいます。
関節の不安定性は痛みや不具合の原因となります。
このような関節をハイパーモビリティ、可動性亢進関節といいます。
実はこの状態は可動域が減少した状態よりも治療が難しく、根治できない種類のものもあります。
関節の可動域に関しては靭帯や関節包が関係していますが、不安定性を完全に解消するには極論を言えば手術しかないでしょう。
しかしプロスポーツ選手でもない限り、手術をする必要はもちろんありません。
一般の方は症状が治まって日常生活が普通に送れるようになれば問題ないでしょうから。
つまり可動性亢進関節そのものではなく、症状を治療するという事です。
とはいえ、ハイパーモビリティが必ず何らかの症状を引き起こすとはかぎりません。
それこそ生まれつき関節が緩めの方もいらっしゃいますし。
そのような方は出産に伴って骨盤の関節、仙腸関節を痛めやすくなる事もありますので注意が必要です。
産後の骨盤矯正を宣伝文句に使っているところはたくさんありますが、ハイパーモビリティに関しては全く異なるアプローチが必要となりますので、どうかご注意下さい。