前回は「なかなか治らない痛み、不具合の原因」について書いてみました。
せっかくなので今回は続きを書いてみようと思います。
前回は軟部組織由来の痛み、不具合について取り上げましたが、今回は関節由来のケースについて書いてみましょう。
関節のズレという言い方をすると少し怖いイメージが湧くかもしれませんが、実際に関節はズレる事があります。
明らかにズレている場合は「脱臼」になりますが、これはレントゲンでも確認できます。
この場合はもちろん整復する必要がありますが、これは整形外科の仕事です。
今回取り上げる「関節のズレ」はレントゲンに映らない微小なものです。
しかし微小なズレでも痛みや不具合、違和感の原因となる場合があります。
関節が正しい位置から少し外れていたり、一見位置には問題がなくても、動きのなかでズレが生じることもあります。
動きのなかでズレるという事は、その関節が行うべき正しい運動を行えない、本来辿るべき軌道を辿れないという事です。
例えば膝のお皿は、本来辿るべきレールの上を上下に動きます。
膝を曲げると下に、伸ばすと上に動くのが確認できるでしょう。
しかし膝蓋骨はこの軌道から外へ外へとズレてくる傾向があります。
当然ながら外へズレると痛みや不具合の原因となります。
しかしこのような問題はレントゲンには映りませんし、整形外科の先生は教えてくれません。
痛めてからかなりの時間が経ったのに回復しないという場合は、関節のズレが原因となっている可能性があるのです。