あれ?最初に痛めた場所とはとは違うところが痛くなってきた・・・・・
なんて経験はありませんか?
気のせいかな?と思われる方もおられるでしょうが、そうではありません。
実際にもともと痛めた部位と隣接する組織に炎症物質が伝搬される事はあります。
炎症自体は体がダメージを受けた組織を治癒させようとする正常な反応ですが、大きくなりすぎると周りの組織にも良くない影響が出てしまうのです。
だから炎症期は「基本は冷やす」わけですが、炎症が広がる事でもともとは問題のなかった部位にも痛みを感じる事はあります。
また、他のパターンもあります。
人間の体は問題のある個所をカバーしようとして、私たちの気付かない領域で色々と反応してくれます。
これを代償といいますが、本来問題がある場所とは別の場所がしわ寄せを受ける事は珍しい事ではありません。
そのようなケースでも、代償しきれなくなると最初に痛めた場所とは違うところも痛くなってきた、という事が起こります。
他にも、もともと痛めてた部位が良くなったと思ったら、別の部位が痛くなってきた、という事もあります。
たとえば、頭痛が良くなったと思ったら、腰が痛くなってきた・・・みたいな。
このような時、患者様は「痛みが移動した」と思われるようです。
しかし実際には多くの場合、もともと腰にも問題はあったのです。
体が頭痛の痛みを感じる事を「優先させていた」ために、腰の痛みは感じなかったという事です。
このように痛みが痛みを覆い隠す、問題が問題を覆い隠すという事が、私たちの体では起こるのです。
本当に不思議ですよね、私たちの体って。