頭痛の予防に有効な座り方
みなさんは座り方には気を付けていらっしゃいますか?特に座り仕事で頭痛をお持ちのあなたは、ぜひとも座り方には気を付ける必要がありますよ。
下の図1は頭痛をお持ちの方の典型的な座り方の姿勢を示しています。
背中は丸くなって頭は体の中心からかなり前方に位置しています。頭はボーリングの玉ほどの重量がありますから、体から離れるほど首にかかるストレスは大きくなってしまいます。
しかし実際にはこれよりももっとひどい姿勢で座っている方もたくさんいらっしゃいます。あなたは心当たりはありませんか?
ただ単に座っているだけであれば、良い姿勢であり続けるのは、おそらく難しい事ではありません。
問題はあなたはただ座っているだけではなく、何かしら作業をしているという事です。
つまりある程度は前に傾いてしまう事自体は仕方ありません。問題はどのように傾くか、ということです。
下の図2は私がお勧めする座り方その1です。椅子の前の方に座って股関節の角度を水平よりやや下げます。
そして机の縁にお腹をくっ付けて、そこにもたれます。ここに体重がかかるイメージで前にもたれてしまうのです。
机と接している前腕部分にもやや体重が乗るようにすれば、さらに頭を支えるためのストレスは軽減できます。
実際に私が院で患者さんにアドバイスする時には直接お腹を机の縁にもたれかけるよりも、クッションを丸めた物などを間に入れる方法をお勧めしています。
これだと比較的ストレスが少ない状態で、良い姿勢を維持することができます。背中も丸くならず、頭の位置も体の中心から遠くにいってしまうこともありません。
顔を下向きに下げ過ぎないようにして、その分視線のほうを下げます。
この座り方をすると最初は背中の下の辺りが筋肉痛になることもあるかと思いますが、慣れればなくなってきます。
それはむしろ今まであなたが筋肉を使わず、靱帯にぶら下がって体を支えていた証であるとも言えます。
長時間座って作業するとなると、ひとつの座り方では難しいかもしれません。
という事で下の図3では、お勧めの座り方その2も説明しましょう。
今度は逆に椅子に深く座って机に近づけましょう。
基本的には後ろにもたれてほしいのですが、背もたれによっては後ろにのけ反りすぎる事があるので気をつけて下さい。
その場合は丸めたクッションなどを今度は背中側にはさんでください。理想は90度です。
長時間の座り仕事の方は、お勧めの座り方その1と交互にやると良いと思います。
これでなくてはならない、という事はありません。あなたがご自身で探求されても良いと思います。
ただ頭痛のあなたにとっては、ポイントは頭の位置を出来るだけ体から離さないようにする、という事です。
パソコンを触る方はディスプレイの位置にも気をつけてください。目線が水平より少し下を向けるようにしましょう。
当たり前のことを念のために言いますが、ディスプレイは体の正面に置きましょう。
たまに左右どちらかを向いたままパソコン作業をしている、という方がいらっしゃいますが、もちろんそんな体勢が良いはずがありません。
道具は文句を言いませんので、あなたに合わせて変えるなり動かすなりしましょう。