みなさん、私たちの体にある筋肉が、私たちの知らないところで綱引きをしているのをご存じですか?
そもそも筋肉は私たちがリラックスして完全に力を抜いている時でさえ、実はある程度は緊張しています。
顔面麻痺になると顔の筋肉がだらりと垂れ下がりますが、言わばあれこそが完全な筋肉のオフ状態なわけです。
もちろんヘルシーな状態ではありません。
でも例えとしては分かりやすいと思います。
力を抜いている時も筋肉はある程度の活動をしてくれているからこそ、私たちは体をコントロール出来るのです。
ざっくり言えば、私たちは体の関節を曲げたり、伸ばしたりしますよね。
これが出来るのは、もちろん曲げる筋肉と伸ばす筋肉が関節をまたいで付いているからです。
この逆の作用をする筋肉を拮抗筋と言います。
この拮抗筋は私たちの意識にのぼらない領域で、常に綱引きをしています。
そしてこの綱引きが一方に優位になってしまうと、体は理想的なバランスから離れていきます。
最も一般的な例を挙げれば、胸や肩の前に付いている筋肉の活動が優位になると、肩や頭の位置が前にせり出してきます。
この場合、拮抗筋は背中側になりますが、これらの筋群は引き伸ばされて弱くなります。
この状態が続くと、引っ張られている背中側の構造に何らかの不具合が生じてくる事もあります。
私たちの体は、自覚できる不具合は体の前側よりも、後ろ側に出てくる事の方が多いのです。
しかし、このようなケースでは背中側が実は被害者である事は明白ですよね。
私たちがストレッチをした方が良いのは、この拮抗筋のバランスを保つためでもあるのです。
あなたの体はどうですか?
どんな綱引きになっているのでしょうね?