前回は微小な関節のズレや運動障害が、時間が経ってもなかなか治癒しない痛みや不具合の原因となるという話をしました。
今回はもっと具体的な例を挙げてみようと思います。
みなさんは足首を捻挫されたことはありますか?
整形外科的にも一般的にも、捻挫は単に靭帯の問題だと認識されています。
しかし本当にその通りなら、安静にしていればやがて治癒するはずですよね。
何カ月の前にくじいた足首に痛みがずっと残る、という事は起こらないはずです。
しかし実際にはこのような事例は珍しくありません。
捻挫だけでなく、突き指などもしかりです。
このような、なかなか回復しきれない関節の痛みや不具合には、まさに関節のズレや運動障害が残っているケースが多いのです。
痛めた軟部組織は治癒しても、関節のズレがそのままであれば、完全な状態には戻れない事も起こりえるのです。
もちろん日常の動きの中で、関節が正常な位置や運動を取り戻していく事もあります。
しかしずいぶん時間が経ったのに、回復しきれないという方は、関節のズレの問題を考えた方がよいでしょう。
施術的には正しい関節の位置や運動を取り戻すような徒手的アプローチや、特殊なテーピング、場合によっては自宅でも出来るリハビリ等もアドバイスいたします。
もしあなたの今の症状が、関節のズレや運動障害が原因であれば、回復までには時間はかからないでしょう。
ただあまりに長い時間が経過してしまうと、当然難しくなってしまいます。
時間が経つにつれて、正しくない位置や運動が「通常の位置や動き」と体が認識してしまうからです。
どうかみなさん、気を付けて下さいね。