前回は筋肉にも休息が必要、という話をしました。
筋肉は回復する時間さえ与えてあげれば、強くすることが出来ます。
鍛えることが出来るのです。
しかし筋肉のさらに奥にある構造物、靭帯や関節包といった非収縮性組織は残念ながら鍛える事ができません。
靭帯や関節包は関節と関わる組織ですが、これらが劣化するとやがて関節自体に問題が生じる事になります。
例えば野球のピッチャーが肘の手術をする事ありますよね。
あれは肘の内側にある内側側副靭帯が緩む事で、肘関節に様々な問題が生じるためです。
もちろん一般の方はアスリートとは違いますが、それでも出来る限り靭帯や関節包に余計な負荷をかけないように気を付ける必要があります。
分かりやすく姿勢の悪い方を例に説明してみましょう。
正しい姿勢をキープしている時、特定の姿勢筋は活動している状態にあります。
しかし、いわゆる猫背のような姿勢の悪い方は、筋肉によって頭や腕といった「荷物」を支えているのではありません。
靭帯や関節包によって荷物をぶら下げているような状態なのです。
このようなバランスで生活し続けていると、やがては関節や椎間板の変性、劣化が加速していく事でしょう。
だからこそ出来る限り、筋肉を活動させる必要があるわけです。
別にウェイトトレーニングをする事はありません。
私たちは常に頭や腕といった重しを持ち歩いているではありませんか?
その荷物を上手く持つトレーニングを日々行えばよいのです。
正しく立ち、正しく座る。これです。