患部を冷やしたほうが良いのか、温めたほうが良いのか、患者様に質問される事がしばしばあります。
これはケースによります。
急性期は冷やす。慢性期は温める、という事になります。
簡単に言えば、急性期というのは「痛めたて」という事です。
痛めると炎症が起こります。
「炎症」というと聞こえは悪いですが、決して「悪」ではありません。
炎症自体は体がダメージを受けた組織、細胞を再生させるプロセスの一部ですので、ある意味では「正常な反応」なのです。
しかし炎症が広がりすぎると周辺の組織もダメージを受けますので、冷やして炎症が大きくなり過ぎないようにする、という事です。
さらに良い点を挙げれば、冷やす事で痛みのレベルが感覚的に軽減することもあります。
痛みも冷たさも神経の道を通って、結局は脳が感じるわけです。
「冷たい」という情報が加わる事で、痛みの感覚が緩和されるという事です。
慢性というのは基本的にいつも痛い、いつも重い、ダルい、つらい、という状態です。
あるいは痛めてから2ヶ月もたてば、もはや炎症ではなく変性が問題となるでしょう。
変性というのは分かりやすく言うと、組織が劣化、老化して正常な細胞よりも劣るものに置き換わっている状態です。
ちなみに変性まで進むと、温める事で治癒させる事は出来ません。
しかし急性期でなければ、基本的に体を温めるのは良い事です。
血流を良くする事で患部の再生、回復をうながす事ができるからです。
ちなみに冷やす時は氷を使って下さい。袋に入れて患部に当てる感じで。
痛めた部位にもよりますが、目安は15分といったところです。
再度冷やす場合は1時間の間隔を空けましょう。